雨の日は、少しだけ苦手だった。
誰かを待っているような気がして、
来るかどうかもわからないまま、
その場に立ち続けてしまうから。
それでも――
その日、あなたはちゃんと来てくれた。
濡れた帰り道。
いつもの部屋。
コーヒーの湯気と、消えたはずの煙草の匂い。
変わらないはずの時間の中で、
少しずつ、何かがほどけていく。
言えなかった言葉。
動けなかった過去。
そして、煙が消えるまでの、ほんの短い時間。
今度は、ちゃんと届くように。
これは、
雨と煙と、二人の距離がほどけていく、
静かな夜の物語。
収録時間 65分53秒
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