帝国陸軍、リーゼロッテ・グラーフ大佐。
部下を鞭で叱りつけ、笑った顔を見た者はいない「鬼の大佐」。
一時間も長引いた式典の最中。直立を崩さない大佐の白いズボンに、小さな染みが広がっていく。
雨が降り出し、すべてを洗い流した――はずだった。
真後ろに立っていた、お前以外には。
その夜、執務室に呼び出されたお前に、大佐は告げる。
「二人きりだ。ロッテと呼べ」
「――口止め料だ。今夜は、たっぷり払ってやる」
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