Description / 説明

「これは、御家のため――」

夫との間に二人の娘を授かりながら、嫡男に恵まれなかった三十四歳の武家妻・綾乃。跡継ぎを案じる義母に命じられ、「男児を授かる秘法がある」という寺へ、ひとり送り出される。
住職が告げたのは、思いがけない話だった。夫がかつて捨てた女郎の怨霊が家に憑き、男児の誕生を妨げている。恨みを鎮めるには、正妻である綾乃自身が女としての快楽を受け入れ、捨てられた女と同じところまで堕ちてみせるほかない、と。
あまりに都合のよい話。それでも、ここで拒めば、榊原の家に跡継ぎは望めぬかもしれない。
「……これも、御家のためでございますなら」
疑いながらも、綾乃はひとつずつ命じられる“務め”に従っていく。やがて夫にも見せたことのない痴態まで強いられ――身体だけが、少しずつ夫を裏切り始める。
貞淑な武家妻は、最初の一夜で、どこまで堕ちるのか。

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