歴史は常に、勝者の都合で書き換えられる。
ならば、あの大戦の裏で「生贄」となった少女の、本当の叫びを知る者はいるだろうか。
奥州の運命を決した「前九年合戦」。
源氏を勝利に導いたとされる出羽の軍勢。
その参戦の裏には、教科書が決して記さない…ある「歪な動機」が隠されていた。
少女の純真、そしてあまりに無垢な信頼。
それが巨大な権謀術数に利用され、一族を、そして時代そのものを破滅へと加速させていく。
己の手が血に染まっていると気づいた時、少女に残されたのは、救いなき三淵の底だけだった。
千年の時を超え、今も長井の地に響き続ける「黒獅子」の咆哮。
その凄まじい響きは、神の守護か、それとも――少女の消えない「後悔」の残響か。
美談の皮を剥ぎ取った先に現れる真実とは。
伝承という名の呪縛を解き放つ、怒濤の完結編。
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